

木々の葉が鮮やかに色づく今日この頃。
2024年年冬のシーズンでは、肌寒い季節でも、心も身体もふわりと軽く暖かくなるようなアイテムを集めました。
中でも特におすすめしたいのが、昨年もご好評いただいた「極上ダウンコート」です。大好評の声を受けて、今年は新色のベージュを追加して再登場しました。
業界基準よりもさらに厳しい検査をクリアして選び抜かれた高品質な羽毛を使ったダウンコート。
とびきり温かく、そして驚くほど軽いこの羽毛の秘密を知るべく、70年以上の歴史を誇る東洋羽毛工業株式会社白河工場へ伺いました。
▲左から、東洋羽毛白河工場の清水氏、着心地スタッフ、杉浦氏。
国内随一の品質にかける想い――日本の復興と共に歩んだ羽毛の歴史。
この高品質なダウンを扱うのは、創立70年以上の歴史を持つ東洋羽毛工業株式会社。戦後の復興を願って設立された「赤い羽根」の共同募金のために、創業者の横田春夫氏が羽根の素材調達に携わったことから始まりました。
その後、マナスル登山隊やエベレスト登山隊などに羽毛服やシュラフ(寝具)を納入。1956年に第1次南極地域観測隊に羽毛服が採用されました。今でも南極地域観測隊(越冬隊)では一部の羽毛服に東洋羽毛の羽毛が使われています。
そんな日本有数の歴史と品質を誇る羽毛を精製しているのは、福島県にある白河工場。
「ここでは主に羽毛の選別や洗浄、精製を行っています」と話すのは白河工場の杉浦氏。東洋羽毛では良質な羽毛の原料を見極めるだけでなく、さらにじっくりと精製を行うことで高品質なダウンを生み出しています。
▲見上げるほど大きな機械。静電気を防ぐため、本体は木でできている。
まず、ダウンコートや羽毛布団には、グースやダックなど水鳥の羽毛が使われます。
羽毛にはダウンとフェザーの2種類がありますが、ダウンはタンポポの綿毛のようなふわふわとした形・手触りで、空気をたっぷり含み暖かいのが特長です。一羽の水鳥からたったの10gしか採取できない貴重な素材でもあります。
「今回使用している羽毛は、しっかり管理された上質なブルガリア産のダウンです。業界で定められている基準に加え、独自で設定した厳しい検査基準をクリアしたものだけ輸入しています」と語るのは、現場で羽毛の精製を担当する清水氏。
密度と弾力性を兼ね備えた、高品質な羽毛を選び抜いているのです。
上質な羽毛をさらに温かく、柔らかく――。独自の精製技術『HARUO(ハルオ)工程』。
上質な羽毛を輸入して終わり、ではないところが品質重視の東洋羽毛ならでは。羽毛の暖かさや柔らかさを最大限に引き出すために、独自の精製工程である『HARUO工程』を行います。
「不純物や汚れを取り除くための工程です。汚れていたりちぎれていたりすると、ダウンが十分に膨らまず暖かさも損なわれます。また、精製が不十分だと菌やカビが繁殖しやすくなるので、衛生的にも良くないのです」と話す清水氏。
羽毛の精製は、縦に長い、見上げるほど大きな箱状の機械の中で行われます。その機械が部屋から部屋へと繋がり、いくつもずらりと並ぶ様は圧巻のひと言。
▲精製を経て綺麗になったダウン。ふわふわでとても軽い。
「仕入れた羽毛に風を当て、ダウンとそれ以外に選り分けます。その後、何度も洗浄を重ねて細かい塵や埃などの汚れを丁寧に取り除きます」。
精製が始まるとたくさんの羽毛が機械の中を舞い始めます。そうして選別された羽毛たちは、パイプを通って次の部屋に運ばれ、時間をかけて洗浄されます。羽毛は人間の髪と同じケラチンという成分からできているため、雑に洗うと傷がついてしまうことも…細心の注意を払いながら、特別に開発した洗剤を使って慎重に精製を進めます。
▲精製を経て綺麗になったダウン。ふわふわでとても軽い。
精製が終わったダウンは、指が吸い込まれるような柔らかさ。同じ重さの他のダウンの束と比べても、その驚くほどの軽さと柔らかさは明らかです。
「何より品質第一ですから」と自信をもって語る杉浦氏と清水氏。日本を代表する羽毛メーカーとしての確かな自信と、徹底したこだわりが感じられます。
目指すのは「高品質なものづくり」――。
素材も技術もこだわり抜いた最高峰のダウンコート、ぜひお試しください。
今回のダウンコートを仕立てたのは『Zanter』―東洋羽毛の中で第1次南極地域観測隊に羽毛服を納入したチームが、その後独立して設立したダウン専門のアパレルメーカーです。
日本で初めてダウンジャケットを作った企業としてのノウハウを活かし、大人の女性にぴったりの上品なダウンコートが仕上がりました。
生地は表裏とも柔らかなコットンを使用。軽やかで肌当たりも優しい着心地です。淑女らしい落ち着いた印象のブルーグレーと、ベーシックで着回しやすいベージュの2色をご用意しました。
昨年は予想以上にご好評をいただき、大変申し訳ないことながらお届けできない方も多くいらっしゃいました。今年はぜひお手元でこの着心地をご体感いただきたく思います。今回も貴重なダウンを使用しているため、多くのお客様にお届けできないのは心苦しい限りですが、何卒ご理解いただけますと幸いです。