梅雨を終えていよいよ夏本番。これからの時季、涼しく快適な着心地はもちろんですが、大人だからこそのゆとりやきちんと感を大切にしたいもの。本日お届けした『着心地のいい服・盛夏号』では、夏を楽しむための上質な素材や品の良いデザインのアイテムを取り揃えました。中でも特におすすめしたいのが「大人のイラストTシャツ」です。

Tシャツというと、着心地は楽だけれどちょっとカジュアルすぎる…という印象を持たれる方も多いでしょう。そんなイメージを払拭すべく、上品なTシャツを作りたい!という着心地スタッフ一同の想いを込めて、今回初めて『着心地のいい服』オリジナルのイラストをあしらったTシャツを作りました。

この度イラストを描き下ろしてくださったのは、雑誌の挿絵などでも人気のイラストレーター、桜井やすこさん。ナチュラルな色使いやシンプルながら洗練されたタッチが、『着心地のいい服』が大切にしている丁寧なものづくりのコンセプトにもぴったりだと感じ、今回イラストをお願いしました。素敵なイラストの数々をどうやって生み出しているのか、お話を伺いました。

▲イラストを見せてくださる桜井さん(右)と着心地スタッフ(左)。

リアルな雰囲気や質感を大切に…
幅広い経験を糧に、手作業で描かれる優しい表情のイラストたち。

桜井さんは石川県・金沢市ご出身のイラストレーター。地元の短大を卒業して数年アパレル系の企業で働いた後、東京に出て改めてイラストを学ぶ専門学校に入学し直しました。「子どもの頃から絵を描くことが好きでした。一度は就職したのですが、やっぱり絵を描き続けたくて思い切って故郷を飛び出してきたんです」とはにかみながら話す桜井さん。

専門学校在学中から友人と協力して個展を開くなど積極的に活動し、イラストレーターとしての道を歩み始めました。アパレル業界にお勤めだったことを始めとして、映画や音楽など桜井さんの興味の幅は広く、多彩な経験をお持ちです。そんな経験を通して繋がった人脈から、イラストレーターとしての活動も幅を広げているとのこと。こちらのお話に丁寧に耳を傾けてくださる優しいお人柄からも、そうした縁が自然と結ばれていくのだろうと感じました。

タイトル:「アパートメント」
▲桜井さんがロジを歩いて見つけた洋館の古びたアパートに、心地良さを感じて描いた一枚。

近年PCなどを使いデジタルで絵を描く人も増えていますが、桜井さんは一貫してアナログ派。「デジタルで描くのも、すぐ修正ができたり便利な点や良い点があります。でも私は、実際に手で紙に描くことでその時々に現れる微妙な濃淡の違いや雰囲気の差が好きなので」と語る桜井さん。紙の質感や絵のテイストに合わせて画材を選び、一つの題材を描くにあたって何度も試作を重ねます。

インタビュー当日は、何十枚ものハガキ大の紙に描かれた水彩のイラストを見せていただきました。深く澄んだ青が印象的で一枚一枚めくるたびにため息が零れてしまうような美しさです。「いつも描きすぎてしまうんですよね」と笑う桜井さん。試行錯誤を重ねて生まれた絵の中から、最終的に選ばれるのはたった一枚。題材に真摯に向き合う姿勢があるからこそ、見た人の心をほっとなごませる暖かみのある絵が生まれるのでしょう。

水彩絵の具、クレヨン、色鉛筆、コピックペン…
色とりどりの画材で描かれる、瑞々しい鮮やかさ。

今回『着心地のいい服』からお願いしたテーマは「夏の避暑地」。軽井沢のような、夏でも爽やかな憧れの景色をイメージしました。桜井さんが描いてくださったラフ案は4点。どれも素敵なイラストで、一つだけに絞るのがとても惜しい気持ちでした。「季節や匂いなどを思い描きながら制作に取りかかりました。赤い屋根のクラシカルな洋館、優しい緑の木々、気持ちの良い爽やかな朝…そんな風景の中ワンピースを着た女性が歩いている。そういったストーリーを想像しながら描いています」と話す桜井さん。

 

よく見ると、多彩な画材を用いて描かれていることがわかります。鉛筆で描いた下絵の上に、まず白いクレヨンを塗り、その上からコピックペン(アルコール性のマーカーペン)で色をつけているのだそう。「クレヨンで描いた部分はコピックのインクを弾くので、白い模様がうっすら浮かび上がって見えるんです。こうして日差しや光を表現できたらと思っています」と、実際にその場でイラストを描いて見せてくださいました。
細かい部分には色鉛筆で色を重ねて、よりリアルな質感を出すことも。桜井さんならではの技法で描かれた『着心地のいい服』オリジナルのイラストは、頬をなでる柔らかな風や小鳥のさえずりまで感じられそうな、瑞々しい一枚になりました。

▲絵を描く楽しさを語ってくださる桜井さん。

柔らかな風や朝の匂いまで感じられる風景…
『着心地のいい服』だけのイラストTシャツ、ぜひお試しください。

▲その場で着心地スタッフのためにかわいらしいケーキのイラストを描いてくださいました。

涼しく快適な着心地ながら、大人の女性にぴったりの上品さと遊び心を兼ね備えたTシャツ。上にカーディガンを羽織ってイラストを覗かせるもよし、一枚で着て夏を満喫する涼やかなスタイルもよし。ぜひカタログにて詳細をご覧ください。

『着心地のいい服』のアイテムはいずれも、丁寧で細やかな心遣いとこだわりによって作られています。日本製の確かな技術と着る人を第一に願う気持ちが生み出す心地良さを、ぜひお試しくださいませ。これからも「日本製」「天然素材」のコンセプトを守りながら、あなた様の毎日にそっと寄り添うお気に入りの『着心地のいい服』でありたいと、スタッフ一同心から願っています。

「大人のイラストTシャツ」は、前身頃にあしらったイラストが優しい雰囲気のTシャツ。カジュアルになりすぎないよう、光沢感のある綿100%素材を採用しました。柔らかな肌当たりで、素肌に心地よく着られます。ぜひ詳細をご覧ください。

大人のイラストTシャツ

プロフィール

桜井・やすこさん プロフィール

桜井・やすこ イラストレーター
人物や草花、町並み、風景などを独自の完成で手描きで表現。東京を拠点に、雑誌や広告など多岐にわたり活動中。