吹く風が冷たく感じる季節になりました。いかがお過ごしでしょうか。冬の寒さでこわばった身体を天然素材のぬくもりで、優しくほぐせたら。ここでは、そんな思いを込めた『着心地のいい服』冬号から、「たつのレザー」で作られる上質な牛革のバッグをご紹介します。革本来の質感や風合いを愉しめ、時間が経つ程に味わい深さが増してゆく逸品です。なぜこんなにも美しい革の表情が出せるのか――その秘密を探るため、革の産地である兵庫県・たつの市、ごとう製革所を訪ねました。
皮から革へ、命を吹き込む繊細な技術と揺るぎない信念。
工場を訪れ、目に飛び込んできたのは、水しぶきをあげて豪快に回る大きな樽のようなものでした。「この中で“皮”が鞣され、“革”となるんです。」とごとう製革所の社長・後藤富男さんはおっしゃいます。「鞣す」とは、漢字の通り「革」を「柔」らかくするという意味を持ちます。皮となめし剤を入れて回すことで皮がきれいに整えられ、柔らかくしなやかな革に変わるのです。しかし、水温や水量、回す時間を季節によって微調整する必要があり、それには長年の経験が大切だといいます。「革は生き物だから、計算通りにビシッと決まるものではない。毎日が実験みたいなものです。」と革を見つめながら話す後藤さんの言葉が、とても印象的でした。

▲使うほどに味わい深さが出る上質な「たつのレザー」。

▲木製の装置で皮を数時間鞣す。
ごとう製革所が特にこだわっているのは、革を限りなく素に近い状態に仕上げることです。革にはそれぞれ生きていた証であるキズやシワがありますが、これを加工で隠さず、革の持つ表情をそのまま“味”として活かしているのです。「一枚一枚の革に合わせて、全ての工程で少しずつ調整をしています。革の個性を活かしながら品質を均一に保つには、繊細な技術と多くの時間が必要なのです。」時間をかけて行われるごまかしのない革づくりには、生き物への敬意と後藤さんの生き様が現れているように感じました。
心地良い天日干しの香りと軟水が育む質感、たつの市の本革の魅力を次世代へ伝えたい。
たつの市は近くに川が流れているため、水を大量に使う鞣しに適しており、日本有数の革産地として400年以上の歴史を誇っています。また、川の水が軟水であることも、「たつのレザー」のソフトな質感に欠かせないといいます。ごとう製革所はその中でも、プロ野球選手が使用するような一流のグローブの革をメインに作っていたとのこと。“グローブの革を作れる職人は何でも作れる”と言われるほどの高度な技術を背景に、後藤氏は今、様々な革製品に挑戦しているといいます。
「革産業を守るために、合皮では表現できない“革らしい革”をどんどん開発し、表情のある本物の革の良さを世の中に広めていきたいです。」そのように語る後藤さんの目には次世代に革を残していきたいという強い意志とともに、新しいことに挑戦し続ける無邪気な輝きを感じました。
雲ひとつない爽やかな秋晴れの中、革はどこか心地よさそうに天日干しをされていました。合皮では出せない革の香りと表情ある質感に包まれ、これこそが唯一無二の本革の魅力なのだと心から思いました。

▲「皮」から「革」になる工程を詳しく説明していただいた後藤氏。

▲カラフルな色に染められた革が天日干しされている光景は圧巻。

▲後藤氏(中央)と「着心地のいい服」スタッフ。
繊細な技術でつくられた、やさしい使い心地。ぜひお試しください。
このように、『着心地のいい服』のアイテムはいずれも、日本製を守る全国各地の職人さんの想いや、細かな手仕事によって作られています。お客様のことを想って作られるこれらのアイテムは、生地の質感や上質な色合い、毎日使いたくなるデザイン、手間を惜しまない丁寧なつくり…など細部までこだわりが詰まっている、他にはないオリジナルです。日本製の確かな技術が生み出す本物の使い心地を、ぜひお試しくださいませ。
これからも、「日本製」「天然素材」のコンセプトを守りながら、あなたの毎日にそっと寄り添うお気に入りの『着心地のいい服』でありたいと、スタッフ一同心から願っております。

▲上質な牛革の「撥水レザーバッグ」。

















