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幾重にも色を重ね、美しい色合いを生み出す。「オートスクリーン捺染(なっせん)」。

幾重にも色を重ね、美しい色合いを生み出す。「オートスクリーン捺染(なっせん)」。

ここでご紹介するのは、伝統的な捺染(なっせん)方法で染めた生地を使った「水玉カシュクール衿プルオーバー」「水玉ロングスカート」です。
上下を合わせてワンピースのようにも着られる上品なアイテムは、水彩画のようなドット柄が印象的。

なぜこんな深みのある色合いの柄を出せるのでしょう――。
その秘密を探るため、古くから染めの産地として知られる京都府にある染工場、株式会社美研繊維を訪ねました。

幾重にも色を重ね、美しい色合いを生み出す「オートスクリーン捺染(なっせん)」。

「捺染とは、糊を混ぜた染料を生地にのせて染色することをいいます。その歴史は古く、日本では江戸時代の浮世絵がその前進だと言われているそうです。」

とお話しいただいたのは創業時からのメンバーである石井さん。
さっそく工場の中を見せていただくと、まるで大きな版画を刷るかのように生地が次々と流れながら染められていく光景が目に飛び込んできました。これは「オートスクリーン捺染」といい、柄を写しとった版に染料を流し、また次の版に送り出され新たな色を重ねていく捺染技法だそうです。

ヘラが前後に動き、カシャカシャとリズムのいい音を立てながら生地を染めていく様子はどこか心地がよく、しばし時を忘れて見つめてしまいました。

色の重なりを美しく表現できる、「オートスクリーン捺染」。


細かな柄が描かれた版。1色ごとに異なる版を用意します。

「オートスクリーン捺染」の一番の特徴は、色ごとに版をつくること。
1つの色に対して1つの版を使用するため、例えば5色使う場合には、5種類の版が必要となります。

「異なる版を使うことで色の重なりがより美しくなり、ぼかしたような繊細な色合いを表現できるのが魅力です。最大で12色まで使えますが、柄や色を変えるごとに版を手作業で取り換えるので少々骨が折れます。」

と教えていただき、改めてものづくりの大変さをひしひしと感じました。


工場内には、これまで使用した版を保存しているそうで、なんとその数が1万を超えるというので驚きです。

捺染は、幾重にも色を重ねていく中で少しのずれも許されないため、版の配置や色合わせが最も重要だといいます。
理想のデザインになるまで何度も試し刷りをし、完成まで約40日かかることもあるそうです。
1色ごとに版をおこし、1ミリのずれも許されない繊細な捺染技術は、まさに職人技だと感じました。

ヘラが前後に動き、生地に染料と糊をのせます。


四季の移ろいと自然の儚さを、色を重ねて写しとる匠の技が“深み”の秘密でした。

日本には、四季を美しく彩る豊かな自然があります。
「オートスクリーン捺染」もまた自然と同じように、色の重なりから生まれる、美しく豊かな色を表現します。
そこには単色では生み出せない、一期一会の儚さがあるように感じられました。

匠の技が生み出す、「ゆらぎ」や「ぼかし」のある淑やかな色合いは、草木や花のような、どこか自然の色合いを目にしているようで、心がホッと温かくなります。
このアイテムを手に取られるみなさまには、その繊細な色合いを楽しみ、味わい深さをご堪能いただけましたら幸いです。

今回取材した、「美研繊維」工場の前にて。


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