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日本の職人さんの技術を次の時代に繋げたいーー。「着心地のいい服」が手のぬくもりをお届けします。

職人さんへのインタビューをお届け

「着心地のいい服」では、これまで数々のお洋服を作ってくださる職人さんに取材をしてきました。しかし、コロナ禍になり取材に伺うことも難しく、現場で働いてくださるみなさまを遠く想う日々が続いています。
取材に行くたび、伝統の職人技が消えつつある現状を知り、私たちにできることはないかと考えていましたが、このような時代となり「貴重な日本の技術を後世に残したい」という思いがさらに強くなりました。
今回の特集では、過去に伺った取材の様子を改めて皆さまにお届けいたします。
「着心地のいい服」を通して、職人のみなさまの手のぬくもりを知っていただけましたら幸いです。

東炊き『川合染工場』

現代によみがえる江戸時代の染色技術。


「東炊き」とは、江戸時代に行われていた「釜入れ」という生地の染め方を現代によみがえらせた染色技法です。
小さな釜で時間をかけて染色することで、生地同士が何度も揉まれ、柔らかな風合いへと仕上がります。美しい色を作るため、作業は時間との勝負。染色が終わると、もくもくと湯気が立ち上る五右衛門風呂のような釜から、職人さんが素手で生地をすくい上げ、瞬く間に次の工程へと運ぶのです。その一瞬の出来事に、匠の技を垣間見た思いがいたしました。
小さな釜を使い、ゆっくりと時間をかける東炊きは、少量ずつしか生地を染めることができません。それでも社長の川合創記男さんは、「低コストで早く、が求められる大量消費の時代に、ものづくりの原点に還って、昔ならではの優しい風合いを再現したい」とおっしゃいます。
肌に触れると何だかほっとする――東炊きで染められた生地は、昔懐かしい風合いを私たちに届けてくれます。
くったりとしたやわらかな風合いをぜひお楽しみください。

東炊きリネンワンピース


スペック染め『港屋株式会社』

上質な素材を、もっと身近に。お肌に優しいお洋服をお届けします。


「スペック染め」とは、昭和40年代に新潟で発祥した染色技法です。
職人さんが糸を一束ずつ手作業で染めることで生まれる、クレヨンで書いたような自然なムラ感が特長です。この技術は習得するのが大変難しいため、一時は器械化に挑んだそうですが、職人さんと同じ風合いを再現することができずに断念したとのこと。さらにスペック染めの糸は扱いが非常に難しく、染色だけでなく機織りにも細心の注意が必要なので、今では栃尾地域の2社のみに残る貴重な技術となっています。
「スペック染めは、生地に関わるすべての人に支えられながらなんとか残っている技法です。先代からは、"人を大切に"と繰り返し教わってきました」と、取締役の星野貴弘さんは教えてくださいました。取材のあいだ、何度も周囲の方への感謝を口にする星野さんの姿勢が、スペック染めの優しい色を作っているのだと深く感銘を受けました。

スペック染め切り替えプルオーバー


皇室御用達の帽子店『株式会社ベルモード』

100年の歴史を超えるものづくり。

リネン透かし編みハット


『ベル・モード』は戦前より100年近い歴史を持つ老舗帽子店です。
アトリエにうかがうと、1点ものだというオーダーメイドの美しい帽子がずらっと並んでいました。創業者の筒井光康氏は、大正14年に若干21歳で単身フランスに渡り、帽子作りを勉強なさったそうです。当時の日本は和装から洋装への過渡期で、帽子は西洋からの輸入品ばかりだったとのこと。そのような中で、日本人の頭に合うように作られた帽子のかぶり心地の良さは、外交官などのお客様から評判が広がり、昭和9年より現代にいたるまで、皇室御用達としても愛されています。
現在の会長でいらっしゃる喜多洋子さんは、「時代に合わせて流行は変わっても、ファッションと機能性を両立する"美"の価値観は変わりません」とおっしゃいます。「かぶって美しくなければ、『ベル・モード』の帽子ではありませんから」と微笑むお姿に激動の時代を乗り越えてきた確かな誇りを感じました。


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